[CGM]「ハンマークラヴィーア」あるいはハンマーアクションとしての初音ミク
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770年12月-1827年3月26日)が大曲「ピアノソナタ第29番変ロ長調作品106」、通称「ハンマークラヴィーア」を書き上げたのは1818年。一切の妥協を排し、ピアノの持つ表現力、芸術性を極限まで追求した楽曲だ。
あまりに高度で難解な楽曲は当時、人には演奏不可能と言われたが、ベートーヴェンは「50年経てば人も弾く!」と述べたという。(以上、wikipediaからのパクリ)
しかし、天才ベートーヴェンも未来予想はできなかった。50年とかからず、わずか約20年後、この大曲は演奏されることになったのだから。なぜか?
理由は後述するとして、この逸話から導き出される教訓は、音楽における科学技術と才能のスパイラルな関係のこと。そうそう、VOCALOID初音ミクとプロシューマーの相互刺激作用が生み出す新しい音楽の可能性だ。
プライベートでこの前、VOCALOIDを開発したヤマハの中の人の話を聞く機会があった。
ベートヴェンの予想は良い意味で裏切られ約20年後、フランツ・リスト(1811年10月22日-1886年7月31日)やクララ・シューマン(1819年9月13日-1896年5月20日)によって「ハンマークラヴィーア」は演奏されることになる。
演奏不可能と言われた「ハンマークラヴィーア」が奏でられた背景にはもちろん、シューマン、リストという天才の出現が欠かせない。しかしもう一つ、見逃せないのは、ピアノのハンマーアクションが劇的に進化したことだ。リストの超絶技巧も、ピアノの進化があってこそ可能になった。
ピアノだけではない。1797年、ヘンリー・モーズリーが近代的旋盤を発明したことにより金属加工技術が飛躍的に向上し、ホルンやトランペットといった楽器が誕生した。
そうそう。科学と音楽は相互刺激的に発展していく。
ピアノの歴史 ピアノ いろいろな楽器を知ろう MUSIC PAL YAMAHA
イタリアのクリストフォリがピアノ・メカニズムを発明した1709年から300年後の2003年2月、ヤマハが音声合成エンジンと歌声を作成・合成することができるミキサソフトVOCALOIDを開発。その4年半後の2007年8月31日、VOCALOIDを利用した音声合成・DTMソフト「初音ミク」が発売された。
VOCALOIDはピアノと比較にならない速度で普及、認知されている。
貴族の嗜みだった音楽は、いまや大衆に解放されている。プロシューマーはIT機器の劇的な進化によりあらゆる音源、そして歌声までも手に入れた。プロシューマーは高速大容量のネット環境により発表と評価の場を得た。
初音ミクを、ただのヴァーチャル・アイドルと捉えると見誤る。
ベートーヴェンが「50年経てば人も弾く!」と「ハンマークラヴィーア」を書き上げてから約200年後。科学技術に才能が息吹を吹き込み、才能が科学技術により発掘され、また科学技術が進化し…才能と科学技術のスパイラルな関係が音楽をさらに発展させている。
初音ミクがそんなエポックになる、いや、なればいいなぁ…と、ヤマハの中の人の話に感激して勢いで書いてしまった。
ところで。ヤマハの中の人の話は40人くらいで聞いたんですけど、初音ミクを知っているのは俺だけでした。orz
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