[政治]「何でも反対」という幻覚
参院で野党が多数を占めたところで、民主党自身が気にしているのが「参院で何でも反対という態度を取るべきではない。大人の政治を行うべきだ」(鳩山幹事長)という、「なんでも反対な野党」という旧社会党的イメージを持たれることのようだ。
例えば、日経新聞も社説で「国会で何でも反対の方針をとったり、いたずらに政局を混乱させるような行動はとるべきでない。そのような無責任な態度は有権者の失望を招くだけである」と書いてあるが=J-CAST ニュース 朝日VS日経・読売・産経 安倍続投めぐり社説分かれる、「野党は何でも反対」というのは実は幻覚でしかない。
国会関連のニュースでは、与野党対立が先鋭化した法案-先の臨時国会では例えば教育基本法など-について大量に報道される一方、対立点のない法案とかあまりニュースにならない法案はほとんど報道されないので、「とにかく反対する野党」というイメージが出来がちだ。
しかし、一回の国会で通過する法案というのは山のようにあり、法案賛成率を見れば、最も与党と対立する共産でも4~5割、旧社会党でも7割ほどある。
以前、法案賛成率のデータをどこかで見た記憶があるのだけど見当たらない。おっと、こんな記事があった。
その根拠は,一九六五年から八七年に至る内閣提出法案に対する野党の決して低くはない賛成率(例=社会党67・8%,共産39・9%)にある。と同時にこの間の法案賛成率の推移は,野党との対決姿勢が際立った佐藤内閣と中曽根内閣を除けば高いのである。「野党は何でも反対」と決め付けがちな世間一般から距離を置き,冷厳な数字を地道に拾い続けてはじめて立法府の本当の姿が浮かびあがったのであり,民主主義の要としての役割も数量的,実証的に再認識されたといえよう。
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20年前までのデータで相当古いが、近年もほとんど変わっていない、むしろ最近、野党の賛成率は7割を超えている(はず)。
と、まぁ、こんな話を民主党が力んだところで、エビデンス・ベースドな議論が苦手なマスメディアや世論に受け入れられるかというと、そんなことは期待できないわけで(w、要は印象の問題だ。
これは、ある方の受け売りだけど、小沢民主党がすごいと思ったのは「天下り根絶法案」「年金流用禁止法案」といった絶妙なネーミングの法案、それから領収証は1円からの「政治資金法改正案」(これじゃ、困る民主党議員も山ほどいるぞ…)を参院先議で出そうとしていること。
法案の中身なんかどうでも良くて(そんなことはないけど)、とにかく印象の問題だ。
この手の法案に衆院で自民がどう対応するか、現在のとこ微妙だけど、蹴られたら蹴られたで「政治改革に抵抗する自民」「天下りを容認して官僚と癒着する自民」「実は厚労官僚や社保官僚と結託している自民」というイメージを植え付けられる。
「何でも反対するのは自民党だ」ってね。
ところで、テロ特措法の延長について、すでに前原誠司前代表が反対姿勢を打ち出している小沢代表に反して「必要だ」と言っている。特措法の扱いが臨時国会の焦点になりそうだけど、ここら辺、民主党執行部がどう対応するのか、かなり興味がある。また、メタメタになりそうな気がしないでもないが。
別に、与党や時流に迎合することが「現実」路線ではないし、ブッシュとその側近のみがアメリカ世論を代弁しているわけではない、というのは俺の考えだけど、いずれにせよ、「参院は衆院のカーボンコピーだからいらない」という不要論を騙ってきた輩に限って、恐らく今後、特にテロ特措法を巡って「(なんでも反対する)野党が参院を占めたのせいで、国会が機能不全に陥った」と言いいそうで、いったい、どっちやねん!という予感がする。
そういう輩には要注意だ(w
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コメント
「参院は衆院のカーボンコピーだからいらない」っていうのは参院も衆院も与党が大勢を占めている時の話ですか?
投稿: 30s | 2007年8月 5日 (日) 12時46分