教育再生会議が教えてくれたキラリと光る美しいこと
「30人31脚」とか「塾禁止」とかとか色々、教育再生会議は結局ネタ提供に終始して、最終報告・決定を出す前にもはや死に体、来夏、参院選のころにはなかったことになっていそうだなぁ、山谷えり子首相補佐官にとっても、ウィークエンダーと並んで消したい過去になるかもしれんし、様々な分野で功成し名を挙げた委員各氏も、気の毒な気がしてならない。
議事録要旨を眺めていたら、渡邉美樹・ワタミ株式会社代表取締役社長・CEOが、本会議でこんなことをおっしゃっていた。
<これまでの議論において、総論を述べる方、現状・問題点を述べる方、解決方法を述べる方と様々な方がいる。これは会議全体としての前提が共有されていないからではないか。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai3/3gijiyoushi.pdf>
渡邊氏はほかの場面でも、会議の行く末、実効性を懸念するような発言をされていて、いやはやまったくその通りと感じるのだけど、しかしこれはすでに第三回を迎えた本会議での発言であって、これまで本会議、分科会と(一応)積み重ねられてきた議論は、この問題提起でもはやぶち壊しである。
この間、会議は何をやってきたのだろうか…。でも、教育再生会議は一つ、キラリと光る美しいことを教えてくれた。
一応、安倍さんは<私からは、教育再生会議において、全ての子供たちに高い学力と高い規範意識を身につける機会を保障するような教育再生の実現をお願いした>という議題を設定していたようではあるけど、そこで出た提言というのが、<教員として備えるべき資質として、将来のセクハラやいじめにつながるような性向についても免許を与えるときにきちんと見抜くことが必要><母子手帳を復活させて欲しい。母と子の大事な絆である。現在母子手帳は予防接種で終わってしまうが、その後も引き続いて半年に1回でも提出できるようにし、相談できる場所を区役所などにつくって欲しい><放課後子どもプランに演劇を取り入れていただきたい><手をつないで、ハミングをすると最初はバラバラでも、意識を通わせているうちに、その音が一つになる。大きな気の力、エネルギーが爆発する。ハーモニーから友達間のフレンドシップも深められるのでは><今、子供に一番大切なことの一つは、エイズに如何に感染させないようにするのかという事>と、まるで安倍さんの意向をスルーしていて居酒屋談義、これが教育を建て直そうと集められた日本の知性が闘わす議論ですかそうですか、議員会館に押し掛けて陳情した方がいいんじゃないですか、というような内容で安倍さん支持者もさぞがっくりされていることと思う。
人選でゴタゴタがあったものの、発足当初こそ「官邸主導」の掛け声のせいか、安倍さんカラー(規範意識競争原理規範意識競争原理…)が強く打ち出され、文科政策に取り込まれていくじゃないか、なんて心配していましたけど、一次報告案に議論されたテーマが盛り込まれていないと、委員の不満が集中しているそうで。→<今日行く審議会@はてな - 教育再生会議の即時解散を提案する>
独自の事務局を持たない第三者委員会や審議会で、委員が提言結果や議論の進め方に不満を持つことは結構ある。地方でも「街づくり市民審議会」というのが10年以上前から盛んだけど、実際は、事務局(役所)が誘導する方向に議論は進み、落としどころも決まっている。
しかも、役所が「有識者の意見を聴いた」「市民の声を反映した」と審議会をアリバイ的に利用し、責任の所在が曖昧になるので、こういう審議会というのは実は有害じゃないかと思ったりもする。
ところがしかし教育再生会議は、それ以前の段階であったようだ。
田舎の街づくり審議会でも、「何をするのか意思統一」→「現状の問題点の洗い出し」→「議題設定」→「対策の検討」→「対策の有効性の検証・絞り込み」→「報告の作成」というような過程を踏んで議論する。
しかし教育再生会議は、「前提が共有されない」まま、各委員がただ好き勝手言って(それでも何とか頑張っている委員もいることは議事録要旨からも伺えるが…)、提言には委員の意見は恐らくあまり反映されず、それどころか本当にネタ提供で終わっているのである。
田舎の街づくり審議会のはるか斜め下を邁進する居酒屋談義が、首相肝煎りの政府会議で実現されたというのは、もう奇跡を見るようだ。
教育再生会議から何か国民が、きらりと光る美しいことを得たとすれば、天海祐希さんには先見性があった、と認知したことだろうか。やっぱり、天海さんは美しい。
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