winnyに暴かれたNシステムの一端
もはや幹線道路に無数に設置されているNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)については、設置状況から運用までほとんど情報公開されて来ず<風が吹けば桶屋が儲かる共謀罪-Nシステムから>、何にどう使われているのかというのは推測でしか語られなかった。
愛媛県警からwinnyによって流出した資料にN関連が含まれていたそうで、さすが毎日新聞が早速、簡単な分析記事を掲載していた。<http://d.hatena.ne.jp/t2-news/20060318/1142655320>
Nの一端を暴いたという意味で「winnyにピューリッツァ賞」というのもあながち冗談ではなくなりそうで<今年のピューリッツアー賞、Winnyが受賞 bogusnews>、というのはやっぱり冗談だが、毎日の記事は非常に興味深い。
さすが(ばかり)だが、極東ブログさんも、この件にはさらりと触れている。<ウイニー(Winny)事件雑感。とても散漫な雑感>
さて、取材資料は段ボールの中なので記憶を辿ると、建前上、Nの運用というのは▽一定期間でデータは削除▽データへのアクセス権は厳密に設定され▽盗難自動車の捜査のほか殺人、強盗など重要事件で使用する-ということになっている。
毎日記事によれば、
<「各種事件のN資料」と名付けられたフォルダー内のファイルは、いずれも99年の日付で、ほとんどが1日単位で区分されていた。>
Nが決定的に“素晴らしい”点は、後検索が可能な点にある。つまり、事前に「このナンバーの車を追跡したい」だけではなく、「過去のある時点の、この車の動向を把握したい」という時に威力を発揮する。
だから、蓄積されたデータはまさに宝の山であり「データは永久保存されている可能性が高い」と指摘する専門家もいる。
削除される「一定期間」がどの程度を指すのか。今回、少なくとも7年は保存されていた(職員が持っていた)ことが明らかになった。
一般的に「一定期間」と言えば5年がいいところだろうがしかし、100年だって1000年だって「一定期間」には変わりない。
<警察庁はこれまで国会での質問に対し「重要事件で使用された車や盗難車など手配車両のナンバーと照合するために使っている。アクセスする者を制限し、一定期間保存した後に消去される」などと強調したうえで、ナンバーは公開された情報で収集に問題はないと説明してきた。>
漏らした人物がどの程度の階級なのかというのが不明だが、外部の記録メディアに移して持ち運べる程度の管理であったことが明らかになったし、外部メディアへの移動が可能なら、消去しようがないことも明白だろう。
<また、検索申請書と書かれたファイルには、県警の決裁欄の項目と並んで、「警察庁刑事局刑事企画課長」名の検索許可番号を記入する欄があった。>
これが何を意味するのか、ちょっと分からない。
菅直人氏の愛人問題が発覚したのは、警察官僚出身の与党政治家がNとオービスのデータを使ったからだ-とか、まことしやかにささやかれたこともある。真偽はもちろん、不明だ。
5月からは、東京都内の地下鉄改札口などで、国交省が、監視カメラと顔認証システムを組み合わせた実証実験を行う。<監視社会を拒否する会>。
公共空間とは言え、行政による個人の撮影は厳しく制限されるというのが、これまでの判例であったはずなのだけど<プライバシーの判例集 主に監視カメラ>、犯罪・テロ対策の名の下、現状はほぼなし崩しである。
それが、政治家の愛人暴き程度に使われるのであれば構わないがのだけど…<Nシステム 素行調査利用は「常識」><情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士:愛媛県警が捜査関係個人情報4400人分流出~やっぱりデータ収集法反対>。
ところで、自分もこのNの資料が是非欲しいところなのだけど、winnyは会社で禁止されているしなぁ…<Winny入れてるでしょ!>。いまなら、資料流出の山で、記事だっていくらでも書けそうなのだが、私用PCで探す…か。
追記(2007/03/23) 「政治家の愛人暴き程度に使われるのであれば構わないのだけど」部分に関連エントリあり→<みっともない話ですが、あれは「皮肉」です>
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コメント
さすらいさんが物盗りで捕まるのを期待してみます…(^^ゞ
投稿: 管理人@踊る新聞屋-。 | 2006年4月 6日 (木) 23時54分
前科の無いオイラが「物盗り」してみたら、5と6は証明できます。
違反で4年前、車上荒しで9年前に指紋とられてますから。
でも、捕まるのは嫌なので、誰か代わりに…w
投稿: さすらい | 2006年3月26日 (日) 23時43分
昭和60年とはちと古い^^; 20年間はあるということでしょうか。それまでの蓄積も電子化されているでしょうから、まぁ、永久保存でしょうかね? 図書館行っていきます。
投稿: 管理人@踊る新聞屋-。 | 2006年3月25日 (土) 20時18分
管理人さま
昭和60年警察白書
第1章 警察における科学技術の活用
-科学化の進む警察活動-
第2節 科学化する捜査活動
ご一読下さい。少なくてもコンピューターでの運用はここ20年くらいの話らしいです。とうことは、・・・・・気が向いたら自分で文でも書いてみます。
投稿: 某S | 2006年3月25日 (土) 18時54分
某Sさん。
住居侵入で逮捕されたFC東京のJリーガー。指紋が部屋に残されたものと一致したと報道されてましたが、前科があるのかね?と首を傾げておりました。
睨めっこして何か分かったら、教えてくださいな。
投稿: 管理人@踊る新聞屋-。 | 2006年3月25日 (土) 15時02分
警察に保存されている指紋の種類
1・容疑確定の人間
2・容疑確定できず無罪放免の人間
3・微罪で署にしょっ引いた人間
4・補導した少年
5・交通違反きっぷの印鑑不携帯で拇印おした人
6・空き巣に入られた被害者(家族も)の指紋(想像)などなど
さて、これだけで何人いるのか想像も付きませんが、これらのデータベースは一生保存らしいのでNシステムなんて5年とか甘いかも。法律は、いつでも恣意的です。5と6は警察は認めないでしょうが間違いないでしょう。警察白書と睨めっこしてみます。
投稿: 某S | 2006年3月24日 (金) 18時35分
データがどう保存されているのか分かりませんが、ストレージの問題は5年前ならいざ知らず、現在はほぼコストゼロといえるかもしれません。この点も含めて、運用と管理がどうなっているのか公開し、第三者がチェックする仕組みが必要だと思います。
歌舞伎町は自分も“取材”で行きましたが、慣れるものですね。その慣れが一番の曲者だと思います。
>とあるSE様。「聞いたことないよ」とは、ひょっとして設計に関わった経験がおあり?
投稿: 管理人@踊る新聞屋-。 | 2006年3月21日 (火) 21時03分
ま、かぶきちょーの100台オーバーの有能なカメラに慣れてしまうとNシステムなんぞかわいもんです。日常を監視されているというストレスも慣れれば都。あ、あれカメラね♪なんて初めて来た方に解説して差し上げてます。
投稿: 某S | 2006年3月21日 (火) 19時28分
18億なんて聞くと、とんでも無い量ですが、パソコンの単位に直してみたいと思います。
1レコードに付き、日付(4byte)とナンバー(8byte)と諸々で16byteくらいあったとします。
18億×16byte/1024(Kbyteに変換)/1024(Mbyteに)/1024(Gbyteに)=約27ギガバイト
ってことで、7年分のデータは30Gのハードディスクがあれば、余裕で入りそうです。
1レコードの大きさが3倍でも、個人のパソコンに悠々ダウンロード出来ますね。
投稿: Beyond | 2006年3月21日 (火) 13時06分
車番を撮る場所にもよりますが、システムとしては7年も保存していると
ころは少ないでしょう。てか聞いたことないよ。
交通量の多いところ(当然、重要な幹線道路)は一日7万~8万台位はあ
ります。時と場合によっては10万台以上もあります。
ざっと一年で2500万レコード、7年だと約1.8億レコード、一カ所でです。
一県内に10や20はついてますから、少なくとも18億レコードも蓄積する
必要があります。検索可能な状態で、ね。
国費、県費あわせてたって、警察にんーな金ありませんて。っーかそん
なにdiskやサーバを買ってくれるなら嬉しすぎる。
永久保存?まぁ、未解決の重要事件、重要証拠なら可能性もあるでしょ
うが、そんな特殊な例を挙げて一般化されてもね。新聞の得意技ですが。
おそらく、捜査情報としてサーバから削除される前にダウンロードして
あった、ってのが正解でしょう。
投稿: とあるSE | 2006年3月21日 (火) 11時15分