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2005年6月 4日 (土)

プライバシーの判例集 主に監視カメラ

●公権力の写真・ビデオ撮影

 ▼京都府学連デモ事件=最高裁大法廷1969/12/24判決
 一 昭和二九年京都市条例第一〇号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例の合憲性
 二 犯罪捜査のため個人の容ぼう等の写真撮影が許容される限界-写真撮影といわゆる肖像権
=判例時報577号18P
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/9-1.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/9-2.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/9-3.html

 ▼犯罪捜査の目的でする写真撮影といわゆる肖像権
 藤木英雄(東京大教授)
=ジュリストNo.444 1970/2/15

 ▼山谷カメラ訴訟=器物損壊被告事件、東京高裁昭六二(う)一三四一号、昭63・4・1刑八部判決、控訴棄却(確定)一審東京地裁昭六一刑(わ)二六二五号、昭62・9・29判決
 犯罪の発生が予測される現場に設置されたテレビカメラによる犯罪状況の撮影録画が適法とされた事例
=判例時報1278号152P

 ▼上智大学内ゲバ事件第一審判決=兇器準備集合、傷害被告事件、東京地裁昭六二刑(わ)二三九八号、平元・3・15刑九部判決、有罪(控訴)
 すでに行われた犯罪の犯人特定のためにする容疑者の容ぼう等の写真撮影が適法とされた事例
=判例時報1310号158P

 ▼????????=兇器準備集合被告事件、京都地裁平元(わ)三三九号、平2・10・3刑二部決定、認容(確定)
 犯人特定等のために行われた容疑者の容ぼう等の写真撮影が適法とされた事例
=判例時報1375号143P

 ▼西成テレビカメラ撤去請求事件=大阪地裁平二(ワ)第五〇三一号、監視用テレビカメラ撤去等請求事件、平6・4・27第九民事部判決、一部認容・控訴
 一 警察が情報収集活動の一環として公道上にテレビカメラを設置することは、基本的にはその裁量によるが、各種事件を侵害する可能性があるから、①目的の正当性、②客観的具体的な必要性、③設置状況の妥当性、④設置使用の効果の存在、⑤使用方法の相当性といった用件を充たすべきである
 二 公共の場所においても、みだりに個人に関する一定領域の事柄についての情報を取得されないことなどを内容とするプライバシーの利益が成立しうる
 三 警察によって公道上に一五台のテレビカメラが設置されたが、対象地区の状況から、うち一四台の設置は許容されるとし、一台については設置により得られる利益より侵害されるプライバシーの利益の方が大きいとして撤去が相当とされた事例
=判例タイムズNo.861(1995/1/15)160P
 警察署が、街頭防犯用の目的で設置した監視用テレビカメラが、プライバシーの利益を侵害するとして、撤去が命じられた事例
=判例時報1515号116P

●私人間の写真・ビデオ撮影

 ▼山陽放送事件控訴審判決=東京高裁昭和四三年(う)第九九七号、住居侵入傷害被告事件、同四五年一〇月二日第一一刑事部判決・棄却、原審東京地裁
 労組員が抗議行動のため三〇分間事務室から退去しなかつたことが情況上不退去罪にあたらず、且つ会社側の者が労組員を撮影したフィルムの引渡を求め拒絶せられたため写真機を取り上げる際生じた軽微な傷について誤想防衛であるから暴行の故意がないとした事例
=判例タイムズNo.255 101P
一、 刑法一三〇条後段の不退去罪が成立するか否かは行為者の滞留の目的その間になされた行為、居住者の意思に反する程度、滞留時間等を考慮し住居の平穏が乱されたか否かにより決すべきである。
二、 社会通念上犯罪の疑いのある行為が既に行なわれており撮影者においても、そのように認めた場合には一般人も相当な方法で証拠保全のために行為者の容ぼう等を含む写真の撮影ができるものと解すべきである。
三、 判文摘示の事実関係の下において写真の撮影を急迫不正の侵害と誤信したことがやむを得ない場合においては誤想防衛として故意責任を欠くと解すべきである。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/WebView2/362CA6F3B240FF3E49256CFA0007B8AD/?OpenDocument

 ▼国鉄ダイヤ改正反対行動撮影事件=札幌高裁昭和五一年(う)第一〇一号、傷害、建造物侵入、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、公務執行妨害被告事件、同五二年二月二三日第三部判決、原審札幌地裁
 一 一般私人が被撮影者の承諾なしにその容ぼう・姿態を写真撮影することが許容されるための要件
 二 労務対策の目的により被撮影者の承諾なしに労働組合員の容ぼう・姿態を写真撮影することが適法とされた事例
=判例タイムズNo.349 270P

 ▼国労合理化反対闘争事件=傷害、公務執行妨害被告事件、福岡高裁宮崎支部昭四八(う)五八号、昭55・5・30判決、破棄自判、有罪(上告)一審宮崎地裁延岡支部昭四三(わ)七七号、昭48・4・14判決
 一 国鉄駅舎内に設けられた神棚に対する朝の点呼時の黙祷が憲法二〇条に反しないとされた事例
 二 傷害の程度が軽微であるとはいえ可罰的違法性がないとはいえないとした事例
 三 矛盾する供述の評価
 四 承諾のない写真撮影の許される程度
=判例時報979号120P 

 ▼????????=損害賠償請求事件、最高裁平四(オ)一〇号、平7・9・5三小法廷判決、上告棄却
 一審神戸地裁昭四六(ワ)一一八〇号、昭59・5・18判決、二審大阪高裁昭五九(ネ)一〇七二号ほか、平3・9・24判決
 会社が職制等を通じて特定政党の党員又はその同調者である従業員を監視し孤立させるなどした行為が人格的利益を侵害する不法行為に当たるとされた事例

●写真・ビデオの証拠能力

 ▼第一次成田デモ事件=東京高裁昭和五三(う)第五〇六ないし五一三号、第二一八〇号、昭五四(う)第二五九四号、兇器準備集合等被告事件、昭56・3・31第一〇刑事部判決、一部控訴棄却、一部破棄自判・確定、原審千葉地裁昭四三(わ)第一〇三号、昭52・7・29判決
 写真マニアの私人が、写真コンテストに出品するため、閉鎖される三里塚御料牧場の状況を撮影する目的で、同牧場の閉鎖に反対する被告人らが同牧場閉場式典の会場に乱入する場面を写真撮影することは、違法行為とはいえないとしてその写真の証拠能力を認めた事例
=判例タイムズNo.454 164P

 ▼山谷カメラ訴訟=器物損壊被告事件、東京高裁昭六二(う)一三四一号、昭63・4・1刑八部判決、控訴棄却(確定)一審東京地裁昭六一刑(わ)二六二五号、昭62・9・29判決
 犯罪の発生が予測される現場に設置されたテレビカメラによる犯罪状況の撮影録画が適法とされた事例
=判例時報1278号152P

●個人情報・記録の第三者提供 

 ▼渋谷暴動事件控訴審判決=東京高裁昭和55う391:殺人、現住建造物等放火、公務執行妨害、傷害、兇器準備集合、同結集被告事件
 一 捜査機関においてテレビニユースの映像を録画したビデオテープに証拠能力が認められた事例
 二 兇器を準備して集合した武装集団の間に機動隊員殺害の事前共謀があつたとは認められないとされた事例
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/WebView2/243808B2FCE3D89449256CFA0007B9D6/?OpenDocument

 ▼マンション購入者情報提供=損害賠償請求事件、東京地裁平元(ワ)九六〇四号、平2・8・29民一二部判決、棄却(控訴)
 マンションを販売した業者が、購入申込書に記載された購入者の勤務先の名称・電話番号を該マンションの管理会社となる予定の会社に開示したことが、プライバシーの侵害にあたるが正当な理由に基づくものであるから違法性を欠くとして、損害賠償請求が棄却された事例
=判例時報1382号92P

 ▼リクルート贈賄ビデオ押収事件=東京地裁昭六三(む)第八六四号、検察事務官の押収処分に対する準抗告事件、昭63・11・30刑事第五部決定、準抗告棄却・特別抗告
 贈賄の申込状況等を撮影したテレビ放送会社所有のビデオテープを、差押許可状に基づき押収した捜査機関の処分が、憲法二一条に違反しないとされた事例
=判例タイムズNo.684(1989.3.1)

 ▼電話帳記載事件=損害賠償等請求事件、東京地裁平八(ワ)二二七二八号、平10・1・21民三二部判決、一部認容、一部棄却(確定)
 電話の加入者がNTTに対して電話帳に氏名、電話番号、住所を掲載しないよう明示に依頼したのにこれらを掲載された場合、NTTにつきプライバシー侵害として不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
=判例時報1646号102P

 ▼Nifty-Serve事件=損害賠償請求事件、神戸地裁平一〇(ワ)一八二八号、平11・6・23民五部判決、一部認容、一部棄却(控訴)
 電話帳に記載されている実名、電話番号等をパソコン通信に無断で公開したことが、プライバシーの侵害にあたるとして損害賠償請求が認められた事例
=判例時報1700号99P

 ▼早稲田大学江沢民主席講演会名簿提出事件上告審判決=最高裁二小法廷2003/9/2判決
 一 大学主催の講演会に参加を申し込んだ学生の氏名、住所等の情報は法的保護の対象となるか
 二 大学がその主催する講演会に参加を申し込んだ学生の氏名、住所等の情報を警察に開示した行為が不法行為を構成するとされた事例(反対意見がある。)
=判例時報1837号3P
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMainOpendoc?OpenAgent&%28%20%28%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%32%5D%20%3D%20%22%8DC5%8BDF%22%20%29%20%20%4F%52%20%28%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%31%5D%20%3D%22%96AF%8E96%22%20%41%4E%44%20%28%4E%4F%54%20%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%32%5D%3D%22%8DC5%8BDF%22%29%29%20%29%20%41%4E%44%20%28%20%28%20%28%5B%72%65%61%73%6F%6E%5D%3D%20%9181%88EE%9363%29%20%4F%52%20%28%20%20%28%5B%6A%75%64%67%65%5D%3D%20%9181%88EE%9363%29%29%29%20%20%41%4E%44%20%28%28%20%20%28%5B%72%65%61%73%6F%6E%5D%3D%20%8EE5%90C8%29%29%20%20%4F%52%20%20%20%28%5B%6A%75%64%67%65%5D%3D%20%8EE5%90C8%29%29%20%29&1&AEBD5B74D1DE30BB49256E4C00267B62

●報道・表現・言論とプライバシー

 ▼「宴の後」事件=損害賠償請求事件 東京地裁昭和36年(ワ)第1882号昭和39年9月28日判決
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/10-1.html

 ▼リクルート贈賄ビデオ押収事件=東京地裁昭六三(む)第八六四号、検察事務官の押収処分に対する準抗告事件、昭63・11・30刑事第五部決定、準抗告棄却・特別抗告
 贈賄の申込状況等を撮影したテレビ放送会社所有のビデオテープを、差押許可状に基づき押収した捜査機関の処分が、憲法二一条に違反しないとされた事例
=判例タイムズNo.684(1989.3.1)

 ▼フォーカス「ロス疑惑」関連報道=東京地裁平四(ワ)第一七一八号、損害賠償請求事件、平5・5・25民事第26部判決、一部認容・控訴
 一 未決勾留中に護送車で拘置所から裁判所に護送される途中の刑事被告人の姿を撮影した写真を写真週刊誌に掲載したことが肖像権侵害にあたるとされた事例
 二 刑事被告人の容姿について表現した記事がプライバシー権侵害にあたるとされた事例
 三 刑事被告人が事故の刑事責任等に関する報道について多数の民事訴訟を提起していることにつき、「少しでも貴殿にとって不利な内容が記載されていると訴訟に次ぐ訴訟。」と表現した記事について、名誉棄損の成立を否定した事例
=判例タイムズNo.827(1993/12/15)227P

 ▼竹村氏国会発言事件=損害賠償請求事件、札幌地裁平元(ワ)八一三号、平5・7・16民五部判決、棄却(控訴<控訴棄却>)
 一 国会議員の議院で行った演説は、他人の名誉・プライヴァシーを侵害することがあっても絶対的に免責される
 二 国会議員の議院で行った演説について免責特権が妥当する場合であっても、国家賠償法一条一項の違法性が阻却されるものではない
=判例時報1484号115P
 【編注】1994/3/15札幌高裁控訴棄却、1997/9/9最高裁第三小法廷上告棄却
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMainOpendoc?OpenAgent&%28%20%28%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%31%5D%20%3D%20%22%96AF%8E96%22%20%41%4E%44%20%28%4E%4F%54%20%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%32%5D%3D%22%8DC5%8BDF%22%29%29%20%29%20%41%4E%44%20%28%20%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%31%35%5D%20%3D%20%22%91E6%8E4F%8FAC%9640%92EC%22%29%20%41%4E%44%20%28%20%28%20%28%5B%72%65%61%73%6F%6E%5D%3D%20%8D91%89EF%8B63%88F5%29%20%4F%52%20%28%20%20%28%5B%6A%75%64%67%65%5D%3D%20%8D91%89EF%8B63%88F5%29%29%29%20%29&1&8515F7AE8061C7D849256A8500311DA8

 ▼ノンフィクション『逆転』訴訟上告審判決=慰謝料請求事件、最高裁平元(オ)一六四九号、平6・2・8三小法廷判決、上告棄却
 一審東京地裁昭五五(ワ)七六九五号、昭62・11・20判決、二審東京高裁昭六二(ネ)三四三五号、平元・9・5判決
 ある者の前科等にかかわる事実が著作物で実名を使用して公表された場合における損害賠償請求の可否
=判例時報1594号56P
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/12-1.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/12-2.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/12-3.html

 ▼小説『石に泳ぐ魚』事件=損害賠償等請求事件、最高裁平一三(オ)八五一号、同一三(受)八三七号、平14・9・24三小法廷判決、上告棄却、裁判集民事登載予定
 一審東京地裁平六(ワ)二五一八二号、平11・6・22判決、二審東京高裁平一一(ネ)三九八九号、平13・2・15判決
 名誉、プライバシー等の侵害に基づく小説の出版の差止めを認めた原審の判断に違法がないとされた事例
=判例時報1802号60P
http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMainOpendoc?OpenAgent&%28%20%28%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%31%5D%20%3D%20%22%96AF%8E96%22%20%41%4E%44%20%28%4E%4F%54%20%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%32%5D%3D%22%8DC5%8BDF%22%29%29%20%29%20%41%4E%44%20%28%20%5B%46%6F%72%6D%4D%61%69%6E%46%69%65%6C%64%31%35%5D%20%3D%20%22%91E6%8E4F%8FAC%9640%92EC%22%29%20%41%4E%44%20%28%20%28%20%28%5B%72%65%61%73%6F%6E%5D%3D%20%8B74%935D%29%20%4F%52%20%28%20%20%28%5B%6A%75%64%67%65%5D%3D%20%8B74%935D%29%29%29%20%29&1&CF4088374AF5102C49256A8500311E44
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/11-1.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/11-2.html
http://www.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/11-3.html

 ▼週刊文春「少年犯」実名報道事件=損害賠償請求事件、最高裁平一二(受)一三三五号、平15・3・13二小法廷判決、破棄差戻、民集五七巻三号二二九頁
 一審名古屋地裁平九(ワ)五〇三四号、平11・6・30判決、二審名古屋高裁平一一(ネ)六四八号ほか、平12・6・29判決
 一 少年法六一条が禁止しているいわゆる推知報道に当たるか否かの判断基準
 二 犯行時少年であった者の犯行態様、経歴等を記載した記事を実名類似の仮名を用いて週刊誌に掲載したことにつき名誉又はプライバシーの侵害による損害賠償責任を肯定した原審の判断に被侵害利益ごとに違法性阻却事由の有無を審理判断しなかった違法があるとされた事例
=判例時報1825号63P

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コメント

自分もこの問題はこうであるべき、との考えはまだ固まってません。ただ、何の議論もなく、既成事実だけ積み重ねられる情況は怖いと思っています。官を見るときは、多少性悪説であるべきだとは感じていますが。

投稿: 踊る新聞屋-。 | 2005年6月 5日 (日) 00時08分

 ビデオ押収が裁判所の要請ではなく捜査機関の要請という点が問題ですね。
 Nシステムもサスペンスドラマでは正義の味方として登場していますが、実際人権侵害であるとして訴訟にもなっています。
 犯罪には勝たなければならない。けれど。
 自分の中でまだ結論が見えてません。

投稿: you.053 | 2005年6月 4日 (土) 15時52分

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